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Directed and Produced by
純谷吉松(Itoya Kichimatsu)


■2001年12月のニュース一覧
▼[2001.12.29]世界を革命する力を
▼[2001.12.28]明日のマカ〜
▼[2001.12.27]想い出売ります
▼[2001.12.25]声を聴かせて
▼[2001.12.24]誰か,誰でも,誰より
▼[2001.12.22]こめかみに銃口を
▼[2001.12.21]絶対革命による未来推断
▼[2001.12.20]存在のためには必要な転換もある?
▼[2001.12.19]音楽とネットワークの相関
▼[2001.12.18]戦争のカタチ
▼[2001.12.16]罰になる罰をみようとせぬ罰
▼[2001.12.15]movie movie, trip tomorrow
▼[2001.12.13]答えの言葉は私の言葉
▼[2001.12.12]ウイルスをなくす方法
▼[2001.12.10]香果覿面(コウカテキメン)
▼[2001.12.08]のろけるべき技術
▼[2001.12.06]もっとも的確な対応で
▼[2001.12.05]鉱石のような値
▼[2001.12.03]革命発火
▼[2001.12.01]人はいつネットワークと同化するのか

■2002年01月のニュース一覧
■2001年11月のニュース一覧


 
[2001.12.29]
  世界を革命する力を


 ▼このエッセイは盗用自由−その4: 窃盗を正当化してるだけ?(TidBITS)
  http://www.tidbits.com/tb-issues/lang/jp/TidBITS-jp-610.html#lnk5


 実社会という世界を,根本から変える。社会様式を,社会思想を,今,IPの名の下に。

 ブロードバンド環境が普及すれば,現在の競争的排除的知的所有物の基礎は完全に消え去る。グーテンベルクの印刷革命と同様に,私たちは,コンテンツの配付は基本的に無料で,同時にコンテンツの作成に対しては対価を支払わねばならない,そんな新しい世界に足を踏み込もうとしている。だが,音楽業界はいまだに,音楽を盗むのは自動車を盗むのと同じだと馬鹿げた発言を繰り返している。ナップスターだけはやっつけたと彼らは乾杯するかもしれないが,その後の音楽業界の売手寡占崩壊に涙を流す人は多くないだろう。

 何度でも同じ話をするが,音楽は情報である。情報は常に入手可能であるべきだ(無料であるべきだ)。対価は支払うが,情報自体はネットワークで何ギガであろうと,手を伸ばせば,容易く手に入るものでなければならない。取り上げる価値もないが,米国で始まったという音楽業界の楽曲配信サービスには,最初から価値などない(ZDNet Newsの記事)。次の世界は,最初からそのようなものを否定したところから始まる。

 そしてこれは,出版社や新聞社とて同様だ。手書きで本を写していたときとでは,グーテンベルグの印刷革命で,根本的に社会は変わった。誰もが聖書を手にすることができ,一部の人たちの特権が失われた。今,私たちは同様の革命の最中にいる。「痛み」は,音楽業界や出版業界の,溜まった膿を,出すことだけで完了する。世界を革命する力を,IPの名の下に。




 
[2001.12.28]
  明日のマカ〜


 ▼PROJECT BLUE ICE G4
  http://www.kentsalas.com/blueiceG4/


 まだアクアOS XよりもプラチナOS9を好きなユーザーが4割もいるようで…(All About Japanの記事)。OS X 10.1にOS9的要素が次々と盛り込まれたりしてるし,先取りする明日は,なかなか難しいですな。

 私は最初のiMacがリリースされた直後に,このプロジェクトをスタートした。いろんな色を欲しいと思ったが,全部買ってはいられないので,いろんな色の電球で色を変更することができるようにしようと思ったのだ。まずは青いネオンによる「ブルーアイスG4」だ。まずはG4の中身を全部取り除いて(ph),シャシーに明かりが漏れる窓を開ける(ph)。青いカバーを付けながら前面にUSBハブを設置,ドライブもDVD/CD-RWに取り替えた(ph)。電源スイッチを入れると…(ph)。(ネタ元はMacFan net:Check it

 笑った(^_^)。ステキ。まぁ部屋が暗くないと効果がないけど,この改造をした人はおんなじように青く輝くマウスやキーボードも作りたいと計画しているようで…。基本的には,マックはメーカー純製品しかないわけで,改造とは無縁な存在だった。でも最近は,PC寄りの構造の部分が多く,PC用のDVD-R/RAMドライブがそのまま認識したり,話は聞かないけどPC用バルクのGeForceも使えそうな感じ(確証なし)。ハイパートランスポート準拠のパワーマックが出れば,この動きはさらに加速するだろう(過去記事)。

 ZDNetの記事を読んでも感じたけど,コマンドラインで操作をするマックユーザーや,マシンを改造してあれこれアップグレードするマックユーザーというのは異質な感じがしつつも,アップルはそれを許容するようなツクリに変わってきている。ユーザーが求めてそうなったわけではなく,未来を見据えての,そういう動きなのだろう。あとは,ユーザーがついてくるか,かな? って私もG3マシンに長瀬産業の格安DVD-R/RAMドライブを入れてみたりヽ(´ー`)ノ。




 
[2001.12.27]
  想い出売ります


 ▼CFカードからHDDまでデータ破損は何でもおまかせの総合データ修復サービス(MYCOM PC WEB)
  http://pcweb.mycom.co.jp/news/2001/12/19/15.html


 その奇妙な格好をしている,どこかマシュマロに似た男は云った。「人は嫌なことを忘れていくなかで,忘れなくてもいいことを,忘れない方が後々役に立つことまで忘れてしまうものです。例えば,あなたが彼女と初めて会ったときに,あなたがどう感じたか,なにを話したか。ほら,おぼえてないでしょ?」。

 富士マグネディスク社が,「総合データ修復サービス」を開始した。同社は従来,ハードディスク,フロッピーディスク,MOなどのデータ修復を行っていたが,CD-ROM,CD-R,コンパクトフラッシュ,スマートメディアなどの記録メディアにも対応した。ハードディスク復旧の費用は,初期診断3万1,500円,データ修復費20万円前後まで。

 よく聞く話だけれども,中古のパソコンを買ってきて,データ復旧ソフトでハードディスクをガンガン復旧させると,あらほれまと前に使っていた人のファイルが出てくる。フォーマットしてOSの新規インストールをしていても,ファイルは残っている。また,最近のOSはマルチユーザー仕様で,そのユーザーでログインしないとそのユーザーのファイルはみられないが,OSの再インストールをしてしまい,OSというタガが外れた場合は,復旧さえできればどのファイルにでもアクセスできる。

 それらは人間の記憶と同様,なくなるのではなく,隠されているだけ,だ。上書きされるまではそこにそのまま残っている。データ修復費の20万というのが高いかどうかは人それぞれだろうけど,お金で買える想い出があるとしたら,値段は大して意味がないのかもしれない。忘れてしまった想い出が,人生を左右することは,多いだろうしね。




 
[2001.12.25]
  声を聴かせて


 ▼高電社、世界11カ国語を読み上げるソフト「WORLD VOICE2」(Nikkei BizTech News)
  http://biztech.nikkeibp.co.jp/wcs/show/leaf?CID=onair/biztech/prom/161352


 いつか,私の声をきちんと聴いてくれて,そして声が返事をしてくれたら。今と違う意識が生まれる,かな。

 高電社は,日本語・英語・韓国語・中国語など11カ国語を読み上げるソフト「WORLD VOICE2」を発売する。同ソフトは5つの音声合成エンジンを搭載している。

 OS Xも,標準で英語の読み上げソフトがシステムに入っている(画像)。まぁ英語では使うことはないという人も多いだろうが,使うとそこそこ面白い。iCabを使っていると,[コマンド]+[8]のソース表示をしようと思って,間違えて[コマンド]+[9]の音声読み上げを押してしまいびっくりすることもしばしば。まぁブラウザ上でテキストを選択して読み上げさせればなかなかいい感じで(画像)。オススメはPrincessですかぁ(^_^。

 テキストを読むという行為はかなり能動的だけど,話を聞くのは受動的な部分が大きくなる。一般的には読みたいテキストを読むのも,AAをコピペするのも能動的であるべきだけど,まぁそれだけぢゃ疲れるし,他者の声で聞くことで注意力が上がることもある(百式の記事)。もちろん,今の音声読み上げは,英語以外は言葉を音としてしか認識してない部分が大きいから,使えると思うまでにはいたらないけど,キーを打つよりも自然な声というインターフェイスのやりとりは,とても心地よい。




 
[2001.12.24]
  誰か,誰でも,誰より


 ▼Commentary:あなたを特定する方法(ZDNetエンタープライズ)
  http://www.zdnet.co.jp/enterprise/0112/19/01121907.html


 いや,誰よりも,あなた,を受け入れる。

 あなたの存在が,国の管理するデータのレコードの1つとして,文書化されれば,便利になる部分もあるが,プライバシーは失われていく。インターネットという神経系を作り上げ,我々1人ひとりがそのノードとなるためには,最低限,自分の身元は明かす必要はある。だが,民間レベルのデータベースには抵抗も可能だが,公的レベルでは,ナチスの強制収容所に似たものを思い出させるかもしれない。

 あなたは誰? 男? 女? 幸福? 不幸? 優しい? すげない? 満足? 不満足? 感情過多? 無神経? 唯心的? 唯物的? 裸眼? 近眼? 星が好き? 月が好き? プラチナが好き? アクアが好き? ネットワークは心の内にあるもの? ネットワークは心の外にあるもの? 雪の降る音が聴こえる? 山の端の闇に棲む女性が観える? 哄笑する? 微笑む? lain? not lain? あなたは誰?

 ウイルスをばらまいた人間が捕まったり,2ちゃんねるで人に不快感を与えた人間が捕まったり,ということが普通になってきて,当然最初から,リアルの個人を特定することなどできることはわかっていた。でも,ネットワーク上のつきあいで,他の人格を装うことや,嘘の性別,経歴を云ってもらっても全然構わない。その人がその人格・性別・経歴をこなすことができるのであれば,それはその人自身であるからだ。人間はひとりではない。自分の中に何人もの自分を持っている。リアルであっても,複数の自分を使いわけている人間は多い。公的機関のデータベースにいる自分は,自分の一形態でしかない。ネットワークは,誰か,であるあなたを受け入れる。




 
[2001.12.22]
  こめかみに銃口を


 ▼製品名が混乱を招くとしてMSがリンドウズを提訴(CNET Japan)
  http://japan.cnet.com/Enterprise/News/2001/Item/011221-7.html


 リナックスの「本当の」始まりになるかもしれないリンドウズ。昨日の記事の続きみたいだが,MSの現実的な,本当の敵はリンドウズかもしれない。まるで,こめかみに銃口を突き付ける,かのように。

 マイクロソフト社は,「ウインドウズ」の商標を侵害しているとして,リンドウズの名称使用をやめるよう提訴した。リンドウズ・コム社CEOのマイケル・ロバートソンは「ウインドウズに対する新しい現実的な驚異を感じ,潰しにかかろうとしている」と語った。リンドウズは来週にはプレビュー版を,来年はじめには完全版をリリースする。

 たぶん世界で10億人ぐらいが「混乱なんかしねぇぇよ」と云ってそうなので,それ自体はどうでもいい。それよりも以前から気になっていたリンドウズの(過去記事),プレビュー版リリース直前にこんな宣伝をしてあげるMSの心意気に拍手したいくらいだが。

 リンドウズにすれば,いつソフトやOSが使えなくなるかわからないアクティベーションに惑わされることもないし(MYCOM PCWEBの記事)(ぁっ,すでにクラックされてますかね;-P),いつもいつもいつも起こる「深刻な」セキュリティ・ホールに対応する必要もなくなる(Nikkei BizTech Newsの記事)。んでほとんどの(100%ではない)ウインドウズ用ソフトが使えるようになるわけで,いやもぉ期待は大きくなる。とりあえず,プレビュー版を待ちましょう。




 
[2001.12.21]
  絶対革命による未来推断


 ▼「フリーソフトウェアの目的は多くの人に使われることではない。使う人を自由にすることだ」(ASCII24)
  http://linux.ascii24.com/linux/news/today/2001/12/08/631907-000.html


 今と違う社会システムをつくれば,すべての問題は解決される。著作権? ファイル共有? 海賊版? MSの独占? 現在の社会では解決策は堂々めぐり繰り返すだけだ。必要なのは,革命へのブレークスルー。

 フリー・ソフトウェア・ファンデーションのリチャード・ストールマン氏とのディスカッションが開かれた。ストールマン氏の発言。「『フリー』なシステムを改善することは,世界をより自由にすること」「グヌー(GNU)プロジェクトの完成は,あなた方の貢献次第だ。いつできるかということより,我々が自由のためになにができるかが重要」「マイクロソフトは敵だ。他のプロプライエタリなソフトを提供する企業も敵だ。ユーザーから自由を奪うので」。

 グヌープロジェクトの創始者であるストールマン(rms)の話をきいていると,パソコンのソフトの話をしているんぢゃないのはいつも感じる。それは,思想だ。そして,新しい社会のシステムであり,資本主義とも当然異なり,また共産主義とも異なる(私的財産は認めている)。ある意味では,グヌープロジェクトが生まれ,ソビエト連邦が崩壊し,資本主義が迷走を繰り返し,ネットワークで「フリー」の概念が興隆を極め,ファイル共有ソフトが社会問題ともなっているのは,同じレールの上の話としても考えられる。

 コピーできないソフトウェアなどないし,コピーできない音楽も動画もない。できることなのに,資本主義であぐらをかく人たちは,「するな,するなら牢屋に入れる」という脅しの解決しか口にできず,そもそも矛盾があるのに無茶な言い争いが続くだけになっている。だが,私たちは今,選択を迫られているのかも? と,rmsの言葉を読みながら思う。今の社会とは違う,グヌーに沿った社会システムを,理想としてではなく,考えてみる。




 
[2001.12.20]
  存在のためには必要な転換もある?


 ▼Macのデフォルトホームページが変更(CNET Japan)
  http://japan.cnet.com/News/2001/Item/011219-8.html


 競争意識上昇志向拮抗対立優劣尊重相剋相生。それもまた,生きるためには,必要?

 マックOSのデフォルト・ブラウザであるインターネット・エクスプローラーを起動すると,デフォルトページとして,ネットスケープを持つAOLのページが表示されるようになった。今までデフェルトページを運営していたエキサイト・アットホーム社が倒産したためだ。アップル社マイクロソフト社の関係がこじれているという見方もある。

 先日のマイクロソフトの和解案に対して完全に「反対」と声をあげたのに続いてなので(過去記事),勘ぐりたくもなるというもの。マックOS X版のオフィスももう発売されたし(^_^;。記事に書かれているので知ったが,来年にはIEをデフォルトブラウザにするという契約も失効するそうで。

 なんらか,今年の春ごろからアップルの行動には,以前の方針と違う部分が見え隠れしている。ジョブズの言葉の端々にもそれはあるし,5月に打ち出した「5 down. 95 to go.(5つはもらった。残りは95)」という広告も(過去記事),他者を強く意識する,それまでと比べて異質なものだった。外ではなく内へと自分の存在を認める「Think different」とは,明らかに違う。個人的には,できることならアップルには「Think different」な存在でいて欲しいと思うが,厳しい争いのためには,この転換もあり,なのかな?




 
[2001.12.19]
  音楽とネットワークの相関


 ▼米SONICblue、音楽サーバー「Rio Audio Center」を発表(Impress INTERNET Watch)
  http://www.watch.impress.co.jp/internet/www/article/2001/1218/rac.htm


 音楽とネットワークの親和性は,かけがえのないものだ。否,音楽とは最初からネットワークのなかで生きるために,今まで生き永らえてきたもの,かもしれない。

 ソニックブルー社は,「リオ・アドバンスド・デジタル・オーディオ・センター」を発表した。40GBのハードディスクを内蔵し,家中のデジタル機器に音楽を配信する音楽サーバーだ。CD650枚分の音楽を収容し,USBイーサーネットアダプタなどで音楽を配信する。

 自分の家に思いっきり音楽を蓄えられる音楽サーバー。これで常に音楽を流し,家の中の至る所にレシーバーを配置し,という環境はどうだろう? ほぼ24時間,MP3ラジオのためにパソコンを立ち上げている私としては,このリオの新製品にも,MP3ラジオ受信の機能を付け加えてもらいたいものだ。それで,完璧だ。

 何度でも云うが,MP3を厭う人間は,音楽を愛していない人間だ。なぜ,家の中に音楽サーバーがあることが尊く愛おしいのか。なぜ,MP3ラジオへ接続していないと物足りない気分がしてしまうのか。なぜ,ファイル共有ソフトはどんなファイルでも共有できるのにMP3を大事なアイテムとして扱うのか。答えはみんな,知っている。知らないのは,MP3を根絶しようとする頭のおかしい,キチガイの集まる音楽業界だけだ。




 
[2001.12.18]
  戦争のカタチ


 ▼ビン・ラディンのビデオにネットユーザー殺到(CNET Japan)
  http://japan.cnet.com/News/2001/Item/011214-3.html


 ネットワークのある戦争も,戦争のあるネットワークも,どちらも未来にはあるかもしれない。戦争はなくならない,そして銃弾の飛ぶ,ネットワークもある。

 オサマ・ビン・ラディンが9月の米国同時テロに関与していることを示すビデオが米国政府から公開され,各ウェブサイトはこのビデオを競って掲載した。だが掲載後まもなくトラフィックが急増し,アクセスできなくなった。

 米国同時テロのときも,ニュースサイトにアクセスが集中してつながらなかったが(過去記事),これまた同様に。だが,よくよく考えれば91年の湾岸戦争のときは,まだ現在のようなネットワークはなかったわけで,初めて戦争を体験するネットワークの姿は,より発達する未来のネットワークからどのように映るのだろうか? ちょっと先の戦争には,戦場にネットワークが入り込んだり,ネットワークに銃弾飛び交う戦争が入り込んだりするのだろうか?

 『その星の戦争は,地球の戦争とは違う。勝敗は,どちらかの国の兵士が1人,生き残るまで続けられる。残った1人はもちろん英雄となるが,自分以外のすべての仲間の死,そして相手方の兵士全員の死の重荷を背負って生きなければいけない。その苦悩たるや,なにものにも変えがたい。そして,その星から戦争はなくなったという。』…まぁお伽話のひとつだけどね。




 
[2001.12.16]
  罰になる罰をみようとせぬ罰


 ▼E-volution:罪と,罰……こちらはない場合もある(ZDNetエンタープライズ)
  http://www.zdnet.co.jp/broadband/0112/13/aneha12.html


 悔いるほどの罰は,死刑以外にはない。でも,MSに誰も死刑を宣告しない,この生温い雰囲気は,なんだ?

 マイクロソフト社は罰として公立学校に10億ドルのソフトとコンピューターの支払いを命じられたが,お礼を言うべきはマイクロソフトの方かもしれない。ソフトの「費用」はタダ同然で,CDにコピーするだけだ。無料で提供してソフトを広めることなど,なんの懲らしめにならず,それは同社を強大にするだけだ。

 いろんなところでぉぃぉぃ…といわれているこの和解案。アップルのジョブズがあからさまにたて突いたのは,ちょっと驚いた(ZDNet Newsの記事)。MSからの資金援助を受けて以来,このような行動は意図的に避け続けていたはずなのに。

 だがまぁ普通に考えたら,この和解案はMSが教育市場に足を踏み込むための「意図的な策略」であることはわかりきっていて,だからそこまであからさまに反対しているのだ。どうしようもない裁判を続けるのも無駄だが,だからと云ってさんざん罪を犯した者に痛みもなにもない,得でしかない和解案などあるものか,という感じだ。でもでも,ではどんな罪を与えればいいというのか? 現金で10億ドルを払わせれば,罰になるだろうか? それでMSは痛みを感じるだろうか? 実はその答えは,またMSを破壊するような裁判初期の論調に戻すだけで,またウンザリする時間を過ごすだけだ。私は死刑でいいと思っているが,八方ふさがりの裁判の,行く末はまだ誰も知らない。




 
[2001.12.15]
  movie movie, trip tomorrow


 ▼「MS対MPEG-4連合」時代へ突入か?(ZDNet Broadband)
  http://www.zdnet.co.jp/broadband/0112/13/aneha12.html


 行かなきゃいけないときには行こう。行かなくていいときには止めよう。行くための準備が必要なら,怠るな。

 リアル・ネットワークス社がMPEG-4を採用する英断を下した。これを「マイクロソフト社 対 MPEG4連合」の幕開けととらえることができる。アップルとリアルが組んで,MPEG4の普及に努めるというストーリーはどうだろう?

 QuickTimeのMPEG4フォーマット対応が実際にみえてきた。正式対応となる,ネクスト・ステップの詳細の話を聞く。もともと,MPEG4のファイル・フォーマットであるQuickTimeには,MPEG4で必要になるもの(ムービー内のインタラクティブ要素対応,コーデックのネットワークインストールなど)はもうすべて備わっている。リアル・プレイヤーは,それらに対してこれから大変な苦労をするのが目にみえる。現状は,そんな感じだ。

 そして,そのネクスト・ステップが現実となった時点でマイクロソフトはお払い箱だ。これまでもMPEG4の名前を適当に使ってユーザーを騙し続けてきた同社なので,まぁウインドウズ・メディア・プレイヤーをなにも知らずに使っているたくさんのユーザーがかわいそうだねと思うだけだが,そこで責任を取るようなら,他のことでいっぱい責任を取っているだろうからなにも期待はしない(参考? CNET Japanの記事)。明日行きのバスの扉はもう閉まる。いや,ハナから乗る気はないのだろうから,さようなら。




 
[2001.12.13]
  答えの言葉は私の言葉


 ▼ハイテク製品を自分好みに「改造」する人たち(WIRED NEWS)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/20011211301.html


 そんな目玉焼きは法律に違反します。私たちが教えたように,ちゃんとフライパンを使って調理し,余計な調味料など使わずに,食べてください!!!………ハァ?(゚Д゚)

 ハイテク製品を,メーカーが思いも寄らなかないように熱心にいじくり回す人たちがいる。Xボックスを改造してUSBポートを増設したり,メディアフォー社は,iPodをウインドウズで使えるようにするソフトを開発している。それに対するメーカー側の対応もまちまちだ。ソニー社はアイボの改造についての泥仕合をやめ,改造するソフトのウェブへの掲載を許可した。

 記事にあるアイボペットの件は(過去記事),完全にソニーの敗北だった。それだけユーザーの反感は強く,ブランドイメージは失墜した。だがまぁ,ユーザーを無視したそんな暴利を働かせたことは記憶から消えないが。

 たとえばあなたが,目玉焼きにソースと七味トウガラシを使った新しい調理法を考えついたとしよう。普通に目玉焼きを食べるより断然おいしく,毎日食べても飽きない。そこに,世界目玉焼き協会なるところの人がやって来て,その目玉焼きは目玉焼きに反するからやめろ,ぢゃないと裁判所に訴える,と息巻いてきたらどうしよう? つまりはそういうことだ。製品は「問いかけの言葉」でしかない。消費者はそれに「答えの言葉」を自由に持つ。「答えの言葉」をメーカーが規定し,思うようにしようというのは,ナンセンスだ。ソニーのような失敗を,他のメーカーがしないように,願いたい。




 
[2001.12.12]
  ウイルスをなくす方法


 ▼「ゴナー」ワーム作成を認めたイスラエルの若者4人を自宅軟禁=警察(Nikkei BizTech News)
  http://biztech.nikkeibp.co.jp/wcs/show/leaf?CID=onair/biztech/inet/159483


 交通事故をなくすには,自動車をひとつ残らず壊してしまう以外に方法はない。ウイルスが流行らないようにするには,ネットワークをなくす以外に方法はない。つまり,ウイルス対策を期待するのなんて,最初っから無理ってこと,なの?

 イスラエルの15際から16歳の少年4人が,コンピューターウイルス「ゴナー」を作成,配付したことを認めたため,同国警察により自宅軟禁された。ゴナーは,北米やオーストラリア,ヨーロッパで大きな被害が出ている。

 アンチウイルスソフトメーカーの担当者も,企業でシステム管理をしている人も,ゴナーが流行っているのを聞いて思うことは一緒だった。なんだって今,そんなウイルスが流行るんだ?(WIRED NEWSの記事

 もっと巧妙で狡猾なウイルスもあるっていうのに,単純で,ある意味幼稚,笑えるのはアンチウイルスソフトなどを消去するという暴挙に出ることだけど(過去記事),そもそも感染させるための工夫が足りない。スクリプトとしても単純。なのになのに,世界中でそこそこの拡散をみせた。まぁそれは例えれば,自動車は免許制だけど交通事故は絶対になくならないし,好景気に浮かれていたバブルの時にだって倒産する会社はあった。まぁそういうこと。ってそれで納得できるならだけどねぇ(´ー`)。




 
[2001.12.10]
  香果覿面(コウカテキメン)


 ▼オタク心をくすぐる? 「コンピューターの匂いがする香水」(WIRED NEWS)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/culture/story/20011206206.html


 記憶を呼び覚ます香りがある。いや,その記憶は,現実かもしれない。現実の香りと記憶の香りは同じもので,現実と同じ記憶の香りと,記憶の香りと同じ現実の記憶が…。

 コティー社がコンピューターの香りの香水「001コティー」を発売する。この香りは,乾燥機から放出される匂いや,開けたばかりコンピューターの箱からの匂いから完成させた。だが5000本だけ限定販売されるこの香水,41ミリリットルの瓶1本が100ドルもする。

 フランステレコム社がネットワークで香りを伝える技術を公表しているという,MYCOM PC WEBの記事を読んだ。そういえば以前にもそんな話があったなと思いつつ(過去記事),まだまだ実用化は先だろう。だが,001コティーの記事にあるように,クリスマス電飾の箱の匂いのように,匂いは視覚や聴覚なんて比べ物にならないほど密接に,記憶を紡ぎ出す。ネットワークを,本当にバーチャルなものにするのは,匂いが存在したときかもしれない。

 私の部屋には以前使っていたマックがごろごろしているが,なにかの機会に起動させると,異質な匂いが漂ってくる。小さなファンでも空気が流れて,それが部屋の中に匂いを伝える。それぞれの機種ごとに匂いは,違う。ふと,それによって,そのマックを使っていた引っ越し前の部屋が目の前に広がり,そのとき夢中になっていたもの,そのとき考えていたこと,そのとき好きだった人のこと,が頭の中によみがえってくる。目を閉じて,また目を開けると,そのときに戻れるような…。「あっ,戻れるのかな」と思って目を開けると,いつもの部屋の風景があって,今メインで使っているマックでは,今日中に完成させなくちゃいけないテキストファイルが開いている。あのまま,目を閉じて,あの匂いの中に入り込んでいたら,このテキストファイルは,ずっとまた時が来るのを,待っているの,かな?




 
[2001.12.08]
  のろけるべき技術


 ▼誕生から10年。QuickTimeの来し方と行く末(ZDNet News)
  http://www.zdnet.co.jp/news/0112/06/e_apple_m.html


 今日はちょっとのろけ気味で,ごめんなさい(^_^;)。

 アップル社のクイックタイムが誕生から10年を迎えた。クイックタイムはインターネットの波にはちょっと乗り遅れたが,今でも映画やビデオの世界で優勢で,デジタルビデオ標準のMPEG4の普及に将来を託している。

 なんでもいいから好きなものをひとつあげなと云われたら,「クイックタイム!」と口にすることもある。技術的な詳しいことは知らないけど,この奥の深さ,でも扱いやすく,直感的にわかる構造,10年前から続く時代の見通しの正しさ,いやホント,クイックタイムは好きだ。

 記事にあるように,ストリーミングへの対応は,唯一,当初の予想から外れたものだった。だが,それさえも,そのしなやかさであっさりと受け入れた。その包容力の愛しさ。クイックタイム用のコーデックのあまりにも簡単な組み込みからも,それを感じる。MPEG-4の標準フォーマットとなり,そしてまたOS XのJAVA2環境で爆発するべき「クイックタイム・リンク・トゥ・JAVA」の足音…。こんなことを云うのもあれだけど,たとえアップルが死んでも,クイックタイムは生き残るべきだ。




 
[2001.12.06]
  もっとも的確な対応で


 ▼新ウィルス「Goner」にアンチウィルス各社が警告〜ICQも感染ルートに(Impress INTERNET Watch)
  http://www.watch.impress.co.jp/internet/www/article/2001/1205/gone.htm


 敵をきちんと認識することは勝つための第一歩? それとも,バカにする第一歩?

 アンチウイルス大手各社は新しいウイルス「ゴナー」に対して警告を呼びかけている。このウイルスは,メールソフトのアウトルックとICQでファイルを添付送信して拡大していく。感染すると,アンチウイルスソフトやファイアウォールソフトを削除していく。

 バッドトランス.b(過去記事)の乱痴気騒ぎもまだ終わらないというのに(ZDNet Newsの記事),次なる敵手登場となんとも動きが早いもの。まぁ日本では繁殖せずに終わりそうな報道もあるし(Nikkei BizTech Newsの記事),相変わらずまか〜は蚊帳の外ですが。

 なによりこのゴナーの笑えるところは,敵となるノートン・アンチウイルスなどを削除するという暴挙にでるところ(^_^;)。もちろん受信時にウイルス定義ファイルが対応していればせき止められるが,もし定義ファイル更新をしてなくて,うっかりGone.scrを開くと,バックグラウンドで敵の消去をはじめる。つか,あっさり削除される方もされる方という気も…。でも,よくよく考えるとそれによって次のウイルスによる攻撃や,不正侵入の穴を作るわけで,Gonerとは「落ちぶれる人」というような意味だけど,なかなかやることは的確?




 
[2001.12.05]
  鉱石のような値


 ▼無料になってしまった『Mac OS X』(CNET Japan)
  http://japan.cnet.com/News/2001/Item/011204-8.html


 クラシックに比べて,OS Xは解析しがいがある。なにごとも,最終的にアクセスできる可能性があることは嬉しいもの。究極の美しさとは,その内部に保つ輝きを証として,まるで鉱石のような。

 アップル社はマックOS X 10.1のアップグレードCDを無料配布したが,それが通常129ドルするマックOS Xそのものに化ける方法を,マックフィックスイット・コムが掲載した。アップルは停止命令を出し,同サイトはこの情報を外した。

 先週後半にあちこちで話題になっていたこの話。その,マックフィックスイット・コムの記事はあれこれと感心することが多い。アップデータのスクリプト「VolumeCheckString」が「CheckForOSX」というファイルをハードディスクにコピーし,OS Xがインストールされているかどうかをチェック,インストールされていたら「CheckForOSX」を削除して続行するという流れ。つまりその,インストールCDの「System:Installation:Packages:Essentials.pkg:Contents:Resources:CheckForOSX」を削除してCDを焼けば,それはディスクチェックをしないただの,インストールCDになる。

 クラシック環境では,アクセスできないことがひとつの美学として成立していたが,OS Xになって様相が変わった。以前,一部のマシンでDVD Playerがインストールされないことがあったが,そのときにもコマンドでインストーラーからDVD Playerを取り出し,スクリプトを一部書き換えて使えるようにするという荒技があった。や〜,世の中には神様みたいな人がいるもんで…(^_^;)。




 
[2001.12.03]
  革命発火


 ▼「著作権至上主義は文化の衰退をもたらす」(WIRED NEWS)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/culture/story/20011130204.html


 革命発火,それは溜められた情念の発露のように。新しい体制を創るんだ。恐竜に死を,文化に明日を。

 現在の著作権法は,作者を守るためのものではなく,莫大な著作権を所有する者の利益を代弁するだけのものだ。また,二次的利用が制限されているため,人類の文化の進展のあり方が根本的に変わり,技術革新も妨げている。だが,体制が変わる可能性は低い。利益を持つ企業が,あらゆる手段を講ずるだろうからだ。

 ZDNetの記事で,ファイルローグを日本で展開する日本MMO社のインタビューを読んだ。が,どうもなにを云っているのかわからない。試しでやってるんであって,ダメと云われるかもねという信念のなさはいったいなんなんだろうと思う。『音楽は情報である。情報とはシームレスに共有され,分配されてこそ意味がある。それを,止める術などかけらも存在しない』とでも,云えないものか。

 ウィンMXの逮捕者後,ぱっと見はウィンMXの利用者は減っているようにはみえない。まぁ当然だろう。減る必要などないからだ。スティーブ・ジョブズの言葉を借りれば,「違法コピーは,技術ではなく礼儀の問題だ」(CNET Japanの記事)。現行の,著作権保有者の礼儀のなさに,ウィンMXはちょうどいい。その,諍いも起きようゴタゴタのなかで,私たちは違う世界を創り上げていかねばならない。今の,この,衰退しかみえない世界を壊し,明日のある,世界,へと。




 
[2001.12.01]
  人はいつネットワークと同化するのか


 ▼脳神経と電子回路を直結するインターフェース(WIRED NEWS)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/20011129301.html


 例えば,脳にTCP/IPネットワークが張り巡らされ,地球上にシナプスの伝達経路が張り巡らされるように。

 テキサス大学の研究グループが,人間の脳細胞ニューロンと超小型電子回路の半導体を直接つなぐ研究をしている。あとはそれが相互作用するのが問題だ。現実離れした発想だが,半導体と生物学の結合という,実に大きな分野だ。

 現在も爆発的に,止める術もないほどに拡大しているTCP/IPのネットワークは,人間の脳のホログラムである,という考えがある。個々のネットワーク端末はニューロンであり,現実的に云えば電話線やDSLラインなどの伝達ラインがシナプスだ。

 地球上のネットワーク端末の数が,人間の脳内のニューロンの数を超えたとき,つまり人間の脳の構造にネットワークが追いついたとき,そこから生まれてくるものはなんだろう? そのときに,人間は半導体を脳に結合させて,人間ぢゃない生き物となっているだろうか? または,地球を覆うネットワークを自分の脳にフラクタルイメージとして収納できるだろうか?(tnx > ofuroheadさん)




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